あがり症だとスピーチなど人前で話をしなければならない場面を考えただけでもドキドキして、動悸が激しくなってしまいますよね。さらに、本番では緊張のあまり声が上ずり、最悪頭が真っ白になってせっかく覚えた原稿すら忘れて何を話せばよいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
この状況を一度経験してしまうと人の前で話をすることが怖くなってしまいますが、スピーチに向けて事前準備を行い、体の過度な緊張状態からリラックスさせる副交感神経を働かせることによって程よい緊張感の中でスピーチをすることができるようになります。
そこで今回は、あがり症の人でもスピーチを聴衆に充実した時間として提供し、乗り切ることのできる方法についてお伝えします。
聴衆を意識した短く内容のこいスピーチを考えよう
スピーチの内容は様々な事柄を詰め込まずに話の内容を1つに絞り、できるだけ短くまとめることによって、スピーチが長く聴衆が退屈にならないようにしましょう。
そして、スピーチをする時には普段使わないような小難しい単語や畏まった言葉ではなく「話し言葉」を使い「5W1H」を明確にすることによって、あがり症でスピーチが苦手な人でも聴衆にわかりやすいスピーチを行うことができます。
スピーチをしている時には静かになることを恐れずに、間をとることを意識しながら話すことで、早口になって言葉が聞き取り辛くなってしまい、聴衆の話を聴く気持ちが削がれてしまうことを阻止することができます。
イメージトレーニングで本番の緊張を和らげよう
あがり症の人はスピーチの本番を迎える前に何度も入念にイメージトレーニングでスピーチがうまく行えることを想像することで、人前で話すということに慣れて緊張を本番で緩和させることができます。
トレーニングを始める前には腹式呼吸を意識して、鮮明にイメージしながら実際にスピーチを行いましょう。トレーニングをしている時には、作った原稿を丸暗記するのではなく、話したい内容とポイントを意識することで、暗記した内容を忘れてしまい慌てることがなくなります。
また、スピーチを行う場所を下見をしたり、練習で身近な人に聞いてもらうことによって、より具体的にイメージできるようになります。
視線を有効活用しよう
視線を合わせるというのは、スピーチの内容を伝えるためにはとても有効な手段です。
理想は聴衆全てにアイコンタクトを取ることですが、人数が多すぎたり、あがり症でスピーチを行う時に人と目を合わせることが苦手であれば、自分から最も遠い距離にいる人に視線を向けましょう。そうすることで自然と顔が上がり、背筋が伸びて声がこもらないので、聴衆に声がよく届くようになります。
視線を合わせることに慣れてきたら、後方に向けていた視線を真ん中にいる聴衆へ、そして前方へと変えていきましょう。また、単語や文節ごとに目線を合わせる人を変えていくことによって更に印象深く伝えることができます。
完璧を求めないようにしよう
あがり症だとスピーチを行う時に聴衆を意識しすぎてしまうあまり、極度の緊張状態によって声が震えてしまったり、上手く言葉が出てこないことがあります。
しかし、聴衆はスピーチを聴き始めた最初は集中力が高いのですが、時間が経つにつれて低下していくため、内容を最初から最後まで覚えている人はほとんどいません。
なので、聴衆に対して過度に意識をする必要はなく、話す内容の中でも「大切な内容の何か一つ」でも伝えることができれば成功だと考えることによって、肩の力は抜け「完璧なスピーチを行なわなければならない」という重圧から解放されて程よい緊張感の中でスピーチを行うことができます。
本番前にはリラックスした状態を作ろう
本番前には体にリラックス効果を与えることによって、あがり症の人でも落ち着いてスピーチを行う体勢を整えることができます。
人は緊張すると鼓動が早くなったり手や足など体の末端が冷たくなり、ゆっくりと落ち着いた状態でスピーチができなくなるので、リラックス効果の高い腹式呼吸を行ったり、温かい飲み物で体を温めましょう。また、首だけを冷やすことで副交感神経が活発になり、より高い効果を得られます。
腹式呼吸は口から息を全て吐き出した後に鼻から空気を吸い込みお腹にためるイメージをします。そして、お腹にためた空気を口からゆっくりと吐き出すことを10回ほど繰り返しましょう。
以上、自分のことをあがり症だと感じ、スピーチなど人前で話すことが苦手な人でも聴衆によい印象を抱いてもらうことのできる方法を厳選してお伝えしました。
よいスピーチに大切なのは、適度な緊張感と聴衆のことを考えた話の構成です。自分自身に対して厳しくすることはよいことですが、プレッシャーを与えてしまっては意味がありません。スピーチの中に小さな目標をいくつか立てることでハードルは下がり、小さな成功体験を繰り返すことで、あがり症の人でもスピーチに抱く苦手意識は確実に小さくなっていきます。
日本人の多くはあがり症です。スピーチやプレゼンテーションの場では緊張してしまいますが、場慣れしていないことも原因の1つです。挙げた方法を実践する練習の場として人前で話す機会を増やしていきましょう。
まとめ
あがり症の人でもスピーチを乗り切るには
・5W1Hを入れて短くまとめた内容を話し言葉でわかりやすく聴衆に伝えよう
・イメージトレーニングで何度も成功体験を体に覚えさせよう
・視線を後方に向けて背筋が伸びた正しい姿勢で印象を残そう
・完璧主義にならず「最も伝えたいことが伝われば成功」だと考えよう
・腹式呼吸と体の温度調節で緊張状態を緩和させよう