口下手な性格は、営業マンにとってはデメリットではありません。というのは、優秀な営業マンとは、顧客の欲しがっているもの、やってほしいことを聞き出し、それを提案に盛り込んでいける人。これを実践するには、口下手なくらいが丁度よいからです。
逆に話が上手いだけの営業マンは、顧客の話を聞かずに自社の商品説明に終始してしまいます。それでは、顧客のニーズには答えられず、売り上げも思ったほどは伸びませんよね。しかし、自分が口下手だからと言って、黙ったままでは顧客も何も話してはくれません。顧客が気持ちよく話してくれるためのヒントを用意して顧客に臨まないといけません。そこで今回は、口下手な営業マンが、お客様に気に入られるための秘訣についてお伝えします。
営業マンの基本は話を聞くこと
口下手だから営業がうまくいかない、と思っているのなら、ぜひ考えを変えてください。営業マンは、話が上手いから売り上げが多い、とは限りません。もちろん、話のうまい人もいますが、営業の基本はお客様の話を聞いて、お客様のニーズに応えることです。
たとえば、自分が購入する立場だったとします。その時、一方的に自社の商品を説明するだけの営業マンをどう思うでしょうか。きっと、早く話が終わってほしい、と思うことでしょう。いくら話が上手でも、それだけでは売り上げは増えません。
そのため優秀な営業マンがまず心がけることは、お客様の話を聞くことです。その話の中で、お客様のニーズに合う自社製品があれば、それを提案します。そして、興味を持ってもらえたら、そこから商談が始まります。もし、あなたが口下手なら、まずは、お客様の話を聞いてみましょう。
質問力を鍛えよう
口下手だとしても、お客様の話を聞くことはできます。とはいえ、黙っていればお客様が話してくれる訳ではありません。お客様が自然に話をしてくれるように仕向けるのも営業マンの重要なスキルです。そして、お客様が自然に話してくれるためには、適切な質問をしつつ、その答えから話を広げていく、といった話のすすめ方も重要です。そのようにして、お客様が、ぜひ聞いて欲しい、と思っている質問をすれば、きっとお客様に気に入られます。
そのため、たとえ口下手だとしても、ぜひ、自然な会話の中でお客様に質問できる話術を身に付けてください。話術と言っても難しいことではありません。自由に回答できる「どう思いましたか?」とか、答えを限定する「どちらでしょうか?」といった質問を組み合わせるのがコツです。
ヒアリング項目を整理しておこう
営業活動の一環としてお客様を訪問するなら、雑談して終わり、という訳にはいきません。お客様も、わざわざ時間を割いてあなたと会っています。たとえ、あなたが口下手だとしても、お客様との会談が、迷惑だと思われてはいけませんよね。
お客様との会談を有意義なものにするためには、事前に何について話をするかを決めておくことが重要です。もちろん営業所の方針や上司からの指示で、お客様に紹介する案件があるでしょう。そのため、仕事として訪問する以上、その話もしないといけません。
さらに、訪問するお客様が関心を持ちそうな話題を準備しておくことも営業の基本です。そのため、訪問する前に、ヒアリングする項目を整理しておきましょう。そして、自分が口下手だからこそ、ヒアリングする項目についてお客様に気持ちよく語ってもらいましょう。
会話の中から課題を見つけよう
売り上げの多い優秀な営業マンは、お客様との会話から、お客様が気が付いていない課題を見つけ出し、それを自分の売り上げに結び付けています。口下手とはいえ、営業をやっているのなら、ぜひ、そのような優秀な営業を目指しましょう。口下手な人でも、お客様の話を整理しながら聞くことはできます。そして、お客様の話の中には、いろいろなヒントが隠れていることもあります。意識を集中して、話の中に隠れているヒントを探してみてください。
とはいえ、お客様のことを知らないと会話の中のヒントにも気が付けませんよね。まずは、訪問するお客様のことを詳しく調べておきましょう。また、会話の中で気になった言葉をそのままにはせず、きちんと調べてお客様が何に興味を持っているかにも関心を持ちましょう。
誠実さが優秀な営業マンの秘訣
自分が口下手だから営業成績が良くない、なんて思ってはいないでしょうか。逆に、口下手な営業マンは、軽快な営業トークに騙されて不要なものを買わされたりしないことから、お客様に信頼される可能性があります。ぜひ、口下手はメリットだと考えを改めてください。
なお、お客様にとって、いっしょに仕事をしたい営業マンとは、信頼できる営業マンです。そして、いつも誠実に対応してくれる営業マンとは、長く付き合っていきたい、と考えています。ぜひ、お客様にとって誠実な営業マンを目指しましょう。
そのためには、自分が口下手なことを知ってもらい、自分の話を最小限にしてお客様の話を聞くこと。そして、お客様の側に立って誠実に対応すること。それがお客様の信頼となり、売り上げアップに結び付いていきます。
以上、口下手な営業マンが、お客様に気に入られるための秘訣についてお伝えしました。
優秀な営業マンは、自分の顧客のことをよく知っており、逆に顧客の方も、そのような営業マンを頼りにしています。こういった関係を築くためには、誠意を持って顧客の話に耳を傾ける姿勢が大切です。華麗なセールストークで顧客を魅了する営業マンもいるでしょうが、そのような人は大勢の人を前にして、始めてその能力を発揮できます。しかし、顧客と1対1で接する営業なら、むしろ口下手な方が相手も安心して、多くのことを話してくれます。
しかし、何もしないで顧客が話をしてはくれません。顧客のことを良く知り、相手が気持ち良く話してくれる環境を作れるような努力も大事です。口下手な性格をメリットと考えて、顧客に頼られる営業を目指しましょう。
まとめ
口下手でも、お客様に気に入られる営業マンになるためには
・営業マンの基本は、顧客の話を聞くこと
・口下手だからこそ質問力を鍛えよう
・訪問前にヒアリング項目を整理しておこう
・会話の中から課題を見つけるため、顧客をよく知ろう
・優秀な営業マンの誠実さが売り上げの秘訣