自分は本当に説明が下手で困る……と、自己嫌悪に陥ってしまうことって少なくありませんよね。一生懸命説明したつもりなのに相手が理解不能な顔をしているのを見てしまうと、「二度と説明なんてしたくない……」と思ってしまうはずです。
説明が下手な理由は、伝える力が弱いケースと、そもそも本人が何を説明すべきか整理できていないケースがあります。前者は頭の中では説明するべきことをしっかり理解しているので改善は簡単ですが、後者の場合はそうは行きません。自分でもわかっていないことを他人に伝えるなんてできませんし、形を持たない「思考」を整理するのは至難の業だからです。
でも、安心して下さい。どんな人でも訓練を重ねれば頭の中を整理できるようになり、説明下手からも脱却できます。そこで今回は、誰にでも取り組みやすい思考整理術をお伝えします。
説明が下手な人に試して欲しい
5つの思考整理術
まずは頭を使いやすいように、集中力を高めよう
スポーツも勉強も仕事も、何事を行うにもまずは集中力が必要です。他人に説明するときも、説明すべき内容を整理するときも同じで、集中できなければ頭の中身を整理することなどできません。
集中力が無いということは「気が散る」ということで、気が散れば話の内容も散りやすくなり、説明も下手な方に偏っていきます。反対に、集中力を高めると目的を真っ直ぐ見据えることができるようになるため、他人に必要なことだけを効率よく説明できるようになるのです。
集中力を高める方法は個人が取り入れやすい方法で構いません。自分に合った方法を色々と試してみましょう。
「思いついた順に話す、行う」をやめよう
説明が下手な人は、話の流れを考えずに思いついた順に話す癖がある人が多いようです。これでは聞く人が情報を整理するのに手一杯になってしまい、説明内容を把握しにくくなります。
説明も含め思考そのものを整理するためには、思いついたことは一旦頭に留め置き、その先の一手、二手まで考えてからどの順番に行動すれば(話せば)良いかを組み直すことです。行動で例えると、出かける際に思いついた順にお店を回るより、行きたいお店を全て思い浮かべてから近い順に回った方が効率が良いのと同じです。
行動も言動も、思いついたら頭の中に溜めておく癖を付けることで、考えや行動順を整理しやすくなります。
行動に移す前に箇条書きする習慣を付けよう
思いついたらすぐに行動しないと忘れてしまう……という人もいるはずです。こんなタイプの人は自分の言葉を言った傍から忘れてしまうため、説明下手にもなりやすいものです。
これを改善するためには、まずは思いついたことを全て紙に書き出し、可視化する習慣を付けることをおすすめします。説明することで例えるなら、まず必ず伝えるべきことを箇条書きし、それをテンポ良く話せるように、話しやすい順に並べ替えると良いでしょう。
説明を上手にするために、最初はこの紙をカンペとして見ながら話しても問題ありません。無理をして話が伝わらないよりも、伝えることを最優先にした方が聞く側のストレスが少ないからです。
物事を頭の中でカテゴリ分けできるようになろう
説明下手な人の中には、事実と今後の予想が入り混じってしまったり、他人から聞いたことと自分の考えの区別が付かなくなってしまったりする人も多いです。これでは、聞く側が混乱してしまっても仕方がありませんよね。
事実も予想も、伝え聞いた話も自分で思ったことも、全て相手に伝えたいと思うのはおかしいことではありませんが、それを頭の中できちんと整理できていなければ、他人に正しく伝えることはできません。まずは、事実とそうでないもの、自分の考えと他人の考えを別なフォルダに入れて記憶できるようになりましょう。
そして、他人に説明するときは、「ここまでが実際あったことで……」とか、「ここからは自分の考えなんだけど……」などと、仕切り直しの言葉を意識的に入れるようにして下さい。このような仕切り直しがあるだけで、聞く方はかなり情報を整理しやすくなります。
「マインドマップ」を実践しよう
説明下手な人を含む、自分の思考が混沌としている人におすすめの手段が「マインドマップ」というものです。これは、トニー・ブザンという人が開発した方法で、思いついたことを放射状に紙に書き出し、視覚的に自分の思考を整理するという目的で行われます。
マインドマップは思考を整理できるようになるだけではなく、記憶力の向上や創造力の育成に役立つと言われていて、世界的に愛用者が存在する方法です。とても難しいものに思えますが、実際は子供でもできるくらいの単純な手順でできる方法です。
日常に取り入れるのは敷居が高いという人も、これから何かを説明する際の準備として一度試してみることをおすすめします。
いかがでしたでしょうか。説明下手な人に見られる様々な問題点から、それを改善する方法を含めた思考整理術についてお伝えしました。
冒頭でもお話ししましたが、自分が説明下手だという自覚はあるけれど何が問題かわからないという人は、ほぼ間違いなく思考が整理できていないと思って良いでしょう。このように、思考が整理できていない人は、問題点を究明したりそれを解決する手順を考える力に乏しくなったりしがちです。
思考を整理することは、説明下手を卒業するだけではなく、人生設計や仕事のスキルなど、生きるうえでの様々な力になり得るものです。すぐに頭がこんがらがってしまうという人は、この機会に思考を整理する力を付けておきましょう。
まとめ
説明が下手な人に適した思考整理術は
・まずは頭を使いやすいように、集中力を高めよう
・「思いついた順に話す、行う」をやめ、適切な順序を組めるようになろう
・行動に移す前に箇条書きする習慣を付けよう
・物事を頭の中でカテゴリ分けし、カテゴリごとに切り替えて相手に伝えられるようになろう
・思考を整理する手段「マインドマップ」を実践しよう