話がつまらないとか、話題に乏しいとかならまだしも、「話し方が下手」なんて言われてしまうと誰でも落ち込みますよね。せっかく楽しいネタを持っていても、話し方が下手なせいでその話の魅力が半減してしまうのは残念としか言いようがありません。
でも、漠然と「自分は話し方が下手だ」と思っていても、どの部分が下手なのか、どこを練習すれば話上手になれるのかを把握している人は少ないはずです。そう、話し方とはとても曖昧なもので、TPOによって何が適切か変わるもののため、コツを掴みづらいのです。
でも、話上手までの道程は遠くても、少なくとも話し方が下手だと思われないためのコツはすぐに習得できるものです。そこで今回は、話し下手を克服するために押さえておきたいコツについてお伝えします。
滑舌と発声を鍛えよう
「話し方」というと、話す順番や内容だけを指すように見えますが、実際は身体的な部分も含まれます。例えば滑舌の善し悪し、声の大きさなども大事な要素の一つで、これが不足しているといくらしっかり話しているつもりでも相手の耳に届かずに終わってしまいます。
まずは、滑舌と話すスピードを調整していきます。滑舌の悪さは生まれ持った舌の長さや構造が関係してきますが、それでも努力によってある程度は聞き取りやすくできるはずです。また、滑舌が悪い自覚がある人は無理に早口で喋ろうとせず、自分の口の動きに合ったスピードで話す癖を付けましょう。
声の大きさは、小さすぎるのはもちろんNGですが、大きすぎてもいけません。相手の耳に届き、なおかつ不快に感じさせないボリュームを保つようにして下さい。
何を伝えたいのか事前に考えておこう
話し方が下手だと言われる人は、話がグダグダになって何を伝えたいのかわからなくなる特徴があります。これを改善させるためには、話す前から何を伝えたいかしっかり頭に置いておくようにしましょう。
事前に話の内容を考えていると臨機応変な対応がしにくくなりますが、それでも話の筋が逸れすぎて話し方が下手だと言われるよりもマシなはずです。慣れるまでは伝えたいことを紙に書いたりして、話している最中に主軸を見失わないようにした方が良いでしょう。
特に伝えたいことが無い場合は、無理して話さない方が無難です。得意でもないのに無理して話すと、話し方が下手だということを必要以上に露呈するだけになります。
起承転結をはっきりさせよう
聞き手を引き込む話の構成は何種類もありますが、一番わかりやすいのはやはり起承転結をはっきりさせ、話にメリハリを付けることです。話したい内容が明確なら、起承転結に組み分けるのはそれほど難しくはないはずです。
簡単に言うと、「今朝(起、背景や設定の説明)雨が降ったから(承、結に至る出来事)傘を持って出たんだけど(転、結を起こす行動)電車に忘れてきたの(結、結果やオチ)」という構成になります。もちろんこちらは面白い話題ではなく、一例です。
このように構成すると聞き手も場面をイメージしやすく、話のつまらなさを感じさせにくくなります。話し方が下手な人は、まずこの基礎的な部分から見直していきましょう。
思いついた順に話すのをやめよう
起承転結をきちんと分けられない人に多いのが、思いついた順に話して聞く人を混乱させるということです。最後に持ってくるべきオチを途中でさらっと流してしまったり、背景の説明が長すぎて本題に入る前に相手を飽きさせてしまったり……と、話し方が下手な自覚がある人なら、心当たりがあるのではないでしょうか。
思いついた順に話す癖がある人は、それを改善させましょう。そのためには、「話したい」という欲を抑えて、「今話すべきことはどれか」を考えながら発言することです。
何か言いたいことが浮かんだら、それを効果的に相手に伝えるためにはどんな言葉を足すべきかを考えてから発言するようにしましょう。
聞き手を飽きさせないようにしよう
話し方が下手な人が話していると、聞く人が飽きて話に集中してくれなくなりますよね。これを避けるためのテクニックも身に付けておいて損はありません。
聞き手を飽きさせないためには、聞き手に同意を求めたり、質問したりして考えるきっかけを与えることをおすすめします。また、小道具や身振り手振りなどで視覚的に注意を引き、話から意識が離れて行かないような工夫をするのも良いでしょう。
どんな楽しい話題も、相手がちゃんと聞いてくれなければ意味がありません。相手の心を掴んで離さないような小技を駆使しましょう。
以上、話し方が下手な人が鍛えるべき会話のテクニックについてお伝えしました。
話下手にはいくつかの種類があり、一つ目に話題がつまらないこと、二つ目に口数が少なすぎるということ、そして三つ目に話し方そのものに問題があることが挙げられます。ここでは一つ目と二つ目は満たしているけれど、三つ目の話し方に不足がある人を対象としたテクニックについてお話ししています。
つまり、逆に言うと、面白い話題を用意することができ、口数やボキャブラリーも十分にあるということですから、あとは話の「型」さえ整えればいつでも話上手に化けられる可能性もあると言えるのです。
自分は話し方が下手だから会話に入っていけない……と諦める前に、自分の可能性を信じてテクニックを鍛えていきましょう。
まとめ
話し方が下手な人が鍛えるべきテクニックは
・滑舌と発声を鍛えよう
・何を伝えたいのか事前に考えておこう
・起承転結をはっきりさせよう
・思いついた順に話すのをやめよう
・聞き手を飽きさせないようにしよう