「自己肯定感とは何か」と聞かれると、誰もが答えにくいですよね。それは、自己肯定感が無い人にとってわからないのはもちろんのこと、ある人にとっても自然に身につく感覚のため、言葉で説明するのがとても難しいのです。
自己肯定感とは、漢字の通り、自分を肯定してあげられている感覚です。大げさに言えば、自分で自分を愛してあげられているかどうかが、この感覚の有無の分かれ道になります。
自己肯定感が無い人は、自分にその感覚が無いことに気付いておらず、自己肯定感のある周囲の人と自分の違いを感じつつもその正体がわからず悩む傾向にあります。仕事、恋愛、友人関係……と、様々な局面で壁にぶつかってきたことでしょう。
でも、大丈夫です。自己肯定感とは後からでも努力次第で育てることができるもの。そこで今回は、自己肯定感を養いつつ、自分らしさを認めて生きる術をお伝えします。
自己肯定感とは?
自分らしく生きるための3つのメンタル術
自分は褒めるところが無い人間ではなく、周囲の大人がおかしかったと思い直そう
「褒める」という行為は、自己肯定感を育むために重要な要素の一つ。ですが、不幸にも子供時代にあまり褒められなかったり、周囲の大人の都合でおかしな褒め方しかされたことが無いという人は、自己肯定感が決定的に欠けています。
でも、周囲の大人が悪いのに、本人は「私は他の人よりも褒めるところが無いからだ」と、それを自分のせいにしがち。そのせいで、大人になって様々な現場で褒めてくれる人に出会っても、それを卑屈に捉えて素直に受け取れなくなってしまいます。
ですが考えてみて下さい。大人が子供を褒めるのは、その子を正確に評価する為ではなく、心を育むためにすることですから、「褒められない」ことは子のせいではなく、親などの子育てに携わった大人のせいなのです。ですから、「自分は褒められたことが無い」と感じている人は、たまたま周囲にいた大人が間違っていたと認識しなおし、自分は褒められても良い人間だという自信をもって下さい。
褒められた経験が少ない人間は、「自分で自分を褒める」ということを軽蔑しがちですが、自己肯定感とはこのように自意識を良い方に積み重ねていくことで作り上げられるのです。子供の頃に与えられなかった心の栄養を、今から自分で補ってあげる気持ちで取り組んでみて下さい。
他人の話を「話半分」で捉えよう
自己肯定感とは、自分で自分を正しく評価する能力とも言えます。これが無いということは、自己評価を低く付ける、もしくは自己評価ができない人間になりやすいです。
そんな人は、周囲の自分への評価を真に受けてしまいがち。前項のように、褒め言葉は素直に受け取れないのに、貶し言葉や批判は100%以上に受け取ってしまうのです。でも、これでは自分らしさがどんどん消え、周囲の目ばかり気にして自分を殺して行動するようになってしまいますよね。
他人はあなたの欠点や失敗を好き勝手に批判することもあるでしょうが、それはあなたを100%理解して言っているわけではありません。あくまで、彼らの価値観であなたがどう見えるかを言葉にしているだけであって、あなた自身が彼らが言うようにダメな人間だと確定したわけではないのです。
もちろん、他人の意見を全て無視して良いわけではありません。でも、それを丸ごと受け止めるのではなく、「彼らの言い分も一理ある」という程度に留めておきましょう。あくまで、自分が自分をどう思っているかを軸にして考えるのがポイントです。
他人にどう言われようと自信を持つ、というのはとても難しいことですが、人の評価に依存してしまってはどんどん自分を肯定する力が削がれていくばかりです。大人になってから得る自己肯定感とは、他人に与えてもらうのではなく、自分で掴み取るものだと思いましょう。
あなたを傷付けた言葉に縛られないようにしよう
誰もが持っているはずの自己肯定感とは無縁の人生を送ってきたという人は、今まできっとたくさんの言葉で傷付けられてきたことでしょう。それが心にずっと残って、今でも自分の行動を縛る呪いになってしまっている人は多いのではないでしょうか。
「何をやってもダメなんだから」と言われ続けた人は、何をするのもうまく行かないと諦めて取り掛かり失敗します。「あんたはブスだから何をしたってモテない」と言われた傷が残っている人は、異性に対して消極的で、好かれるための努力をしないため、恋人ができません。このように、他人にかけられた言葉に縛られて、自分で自分を悪い方向に持って行っているのです。
これでは、悪い結果→自己否定→さらに悪い結果……と、悪循環に嵌ってしまいますよね。それから逃れるためには、過去に受けた自分を傷付ける言葉と決別する必要があります。
あなたの心に残っている自分を否定する言葉について、しっかり向き合って考えてみて下さい。何をやってもダメだと言った人がどんな心境で、あなたに対して何を与えようとして言ったのか、「ブス」と言い放った人は、本当に全ての男性の嗜好を知った上で言っているのか、モテる人とは何かを理解しているのか……と考えると、相手の言葉にはそれほど信憑性が無いことに気付くはずです。
それに気付くことができれば、自信を持つ近道が開けるはずです。自己肯定感とは、自分を縛るものを取り除くことで得られる部分が大きいのです。
いかがでしたでしょうか。簡単に言うと、自己肯定感とは、「褒める」「否定しない」の二つから培われていくものです。教育に関する研究が深まった今では、子供時代にこの二つが欠けると、自信が無く自分を愛せない大人に育つという説が有力となっています。
では、大人になるまで自己肯定感が得られなかった人は、一生自信の無い人生を送らなければいけないのかというと、そうではありません。自家発電的な方法にはなりますが、考え方次第である程度まで身につけることはできるのです。
自分が嫌いだ、愛せない、何をやっても上手くいかない……と慢性的に悩んでいる人は、とても勿体ないこと。自分らしさを活かせば、意外なところにある素晴らしい長所が出てくる可能性があるからです。
自己肯定感とは、自分らしく生きるために大切な感覚です。それをしっかり得るために、少しばかりの意識改革をしていきましょう。
まとめ
自己肯定感とは何かを知り自分らしく生きるための術は
・自分は褒めるところが無い人間ではなく、周囲の大人がおかしかったと思い直そう
・他人の話を真に受けず、「話半分」で捉えよう
・あなたを傷付けた言葉に縛られないようにしよう