いつ何時でも目を見て話すことが大切だという人がいますが、実際はそれではいけない場面も多々あります。目を見て話す方が悪印象に繋がることもあるというのは、意外と知られていませんよね。ドラマや漫画などで、学校の先生や上司などに「目を見て話しなさい」などと言われるシーンがよく見られます。でも、相手が誰でも、どんな場面でも目を見て話すことが良い効果をもたらすとは言い切れません。
しかしながら、子供の頃に大人に「目を見て話しなさい」と言われて続けてきたせいで、どんな時なら目を逸らして良いのか判断できないという人もいるはずです。そこで今回は、目を見て話すべきシーン、目を見ずに話した方が良いシーンについてお伝えします。
目は口程に物を言う!
目を見て話す時の5つの注意点とは
目を見て話す=相手を警戒しているという印象を与える
目を見て話すことで相手に与える印象の中で大きいのは、「警戒している」というもの。本人はそんなつもりはなくて目を見て話す癖があるだけなのに、対峙する相手は「この人は私に対して警戒心が強いのだろう」と感じてしまいます。
野生動物とばったり会ってしまったとき、「目を逸らしてはいけない」と言われていますよね。これは、目を逸らしたら隙を与えて攻撃される心配があるからです。
目の動きには相手の思考や挙動が出やすいため、それを読む必要がある相手の場合のみ、しっかり目を見るようにした方が良いでしょう。
相手によっては不躾な印象を与えることがある
あなたが相手の目を真っ直ぐ見ることで、相手はあなたが自分を警戒していると察します。これはお互い警戒している関係なら問題ありませんが、敬うべき相手の場合は不躾な印象を与えてしまいます。自分よりも高位の相手に対して心を見透かそうとしているように受け取られますし、不遜な態度と言われることもあるはずです。
このように、相手を選ばず目を見て話すことによって人間関係に悪影響を及ぼすことも否定できません。子供の頃にそう教えられたからと闇雲に相手の目を見るのは良いことばかりではないということを知っておきましょう。
普段の会話は相手の瞳を見るのではなく、鼻や首のあたりを見よう
でも、目を見て話さない方が良いからと、あからさまに別な方向を見て会話するわけにはいきませんよね。「この人、ちゃんと話聞いているの?」と思われるのも避けたいところです。
そんな時は、目は見ず、顔を見て話しましょう。例えば鼻の頭あたりを見ながら話せば、微妙に目は合いませんが真面目に話を聞いている印象は与えられます。
また、目を見ると不躾に取られそうな相手、例えば上司や面接官が相手の時は、鼻よりももう少し目線を落とし、首のあたりを見るようにした方が良いでしょう。ネクタイを締めている相手なら、その結び目あたりを見ると不快感を与えず好印象だと言われています。
言葉以上の説得力が欲しい場合は目をしっかり見よう
ここまでは目を見て話すことの危険性についてお話ししましたが、次は目を見て話す必要がある場面についてです。それは、「説得力が欲しいとき」です。目を見て話すことで伝わるのは警戒心だけではなく、自分への自信や信念の強さなどもあるからです。
大事なプレゼン、誰かを説得するとき、そして愛の告白をするときなどは、是非目を見て話すようにしてみて下さい。チラチラと目を逸らしながら話すよりも、何倍も相手に思いが伝わりやすいはずです。
あなたの方から目を見ることで、相手は暗示にかかりやすくなるとも言われています。催眠術なども目を見るように指示されるシーンが多いです。
自分が劣位にいることを示したい場合は敢えて目を逸らそう
最後は、敢えて目を逸らす必要がある場面についてです。上司にミスを注意されている時や説教されている時、そして謝罪の最中などは、相手の目を見据えてはいけません。
相手が優位にいること、自分が劣位に置かれていることを表現するためには、目線は下の方に落とし、反省していることを表現しましょう。ここで目を見返すような姿勢を取ってしまっては、「本当に悪いと思ってる?」と火に油を注ぐことになりかねません。
こんな場面で目を見て話してしまうと、偉そうだとか反抗心があるとか言われて、無駄に相手の神経を逆なですることになってしまうので避けた方が無難です。
いかがでしたでしょうか。目を見て話すことの危険性と必要性についてお伝えしました。
目を見て話すのが礼儀正しいことだと思い込んでいる人は恐らく少なくありません。でも、実際は、タイトルにもある「目は口程に物を言う」という言葉のように、意図せずに自分の胸の内を相手に伝達させてしまうリスクの方が高いのです。
そして、目を見られる相手の方も、隠している自分の心を読み取られるような気がして不安を覚えてしまうはずです。本人は礼儀のつもりで目を見ているのに、相手に悪印象を与えることになっては本末転倒ですよね。
大人になったら、特にビジネスシーンでは目線のやり場を考える必要が出てきます。適切な場面でのみ相手の目を見て話せるように、正しく判断できるようになりましょう。
まとめ
目を見て話すことで相手に与える印象や注意点は
・目を見て話す=相手を警戒しているという印象を与える
・相手によっては不躾な印象を与えることがある
・普段の会話は相手の瞳を見るのではなく、鼻や首のあたりを見よう
・言葉以上の説得力が欲しい場合は目をしっかり見よう
・自分が劣位にいることを示したい場合は敢えて目を逸らそう