話し方が下手な人の話を聞いていると、話の内容が入ってきませんし、聞き手の集中力も切れてしまいますよね。時間に制限がなく、プライベートな時間で取り止めのない会話を友達としている時はよいかもしれませんが、仕事で話し方が下手だと相手に無駄な時間を使わせてしまうことにもなりかねません。
また、話し方が下手な人は仕事で自分自身も損をします。どんなに頭が良くて、仕事ができる人でも、社会人は自分の仕事の報告を上司にしたり、営業先でプレゼンをする場でわかりやすい話し方ができないと、スキルが十分に評価されないのです。
同僚や取引先の人に「この人話し方が下手だな」と思われることは「仕事できなそうだな」と思われることにつながりやすいのです。そこで、話し方が下手な人が実践すべき説明力を鍛えるためのヒントをお伝えします。
対話をするような語りかけ
プレゼンでは相手に伝えなくてはいけない事を事前にメモしておいたり、原稿を用意して臨むことってありますよね。しかし、原稿やメモの方ばかりを見て文章を棒読みしているようでは、相手に内容は伝わりにくいものです。
相手に何かを伝える時には、例えそれが仕事の内容でも感情をこめて相手の表情を見ながら対話をするような雰囲気で話すのがポイントです。「~ですよね」とか「このような事ってありますよね」などと語り掛けるような話し方をするだけで、話し方が下手な人でも相手の注意を引くことができます。
顔を見て話す
会社内でセミナーの講師をやる時には大勢を相手に説明をしますから、場慣れしていないと緊張するものです。しかし、緊張をして手元の資料ばかりを見たり、遠くの方を見ながら話すのはいけません。
聴衆一人一人と目を合わしながら話すのが話し方が下手だと思われないための重要なポイントです。聞いている側はスピーカーの人と目が合うと「自分に語り掛けてくれている」と感じて話に集中しやすくなるのです。
結論ファースト
数十分という長い時間を使って何かを人に説明する時には結論ファーストで話すことが話し方上手に聞こえるポイントです。話し方が下手な人によくある特徴がダラダラと脈絡がない話をしてしまうことです。
脈絡のない話をしていると、聞いている側は何に集中すればよいかわかりませんし、話の核をつかむことすらできません。しかし、結論を最初に言ってしまうことで聞き手は頭を整理しながら説明に聞き入ることができるのです。
定量的な表現
話し方が下手な人がちょっと工夫するだけで上手になれる方法があります。それが定量的な表現を取り入れることです。例えば、何かの事象に対してその要因がいくつかあるとします。「まず始めの要因は~です。そして、~も要因です。さらには~も要因の一つです。」という話し方をすると、聞き手は「一体いくつ要因があるのだろう」と先が見えなくなって不安になったり、集中力が切れたりします。
しかし「要因は3つあります。一つ目は~」と話すと、聞き手はその先の話の量がおおよそ推量できますから、安心して話に集中できるのです。
話題の脱線をしない
学校の授業で、意味が分からない、ノートの取りようがないという授業をする先生って一人はいましたよね。なぜノートを取れないのかというと、話に脈絡がないためです。ストーリーがあれば、例え冗長的な話し方であってもノートにまとめることはできます。
しかし、話題がすぐに脱線してしまうタイプの話し方が下手な人の話は、まとめようにもまとめることができないのです。人前で話す時には、一つの話題が完結する前に他の話題に脱線させることは絶対に避けましょう。
適度な話すペース
緊張すると人は早口になってしまいがちです。ですから、大人数の前で話す時には特に「ゆっくり」話すことを心がけなくてはいけません。話し方が早すぎたり、遅すぎることは、話し方が下手だという印象を持たれやすいためです。
人が聞いて一番心地良いと感じるスピードは1分間に300文字程度の文字でのペースで話すことです。一度時間を測りながら自分の話すペースが遅いか早いかをチェックすると本番で「ゆっくり話そう」と意識的に思えるようになります。
専門用語は臨機応変
仕事や研究内容など、専門的な内容の説明をする時には、つい専門用語を使ってしまいがちです。しかし、自分では知っている言葉でも聞いている相手は知らないこともあります。話し方が下手でなくても、意味を知らない専門用語が説明の中に入っていると、それだけで聞き手は意味がわからなくなります。
とはいっても、専門用語が通じる相手に、あえて丁寧な言い回しをすると「まどろっこしい」と感じられてしまいますから、聞き手のリテラシーに合わせて言葉を選ぶのがポイントです。
さて、話し方が下手な人の中には、自分では下手だということを自覚しているケースと全く自覚していないケースがあります。口下手で人と話すのが苦手だったり、緊張してしまうという人は、自分が話し方が下手だという自覚があるため、今回お伝えしたようなポイントを押させれば、話し方を改善することができます。
しかし、話し方が下手だという自覚がない人はやっかいです。流暢にペラペラと話せるという自信があるかもしれませんが、話すペースが早かったり、自分が思いつくままに話題をポンポンと飛ばして話して自己満足している可能性があります。
いずれのケースでも大切なのは、聞き手の表情や反応を見ながら話すことです。相手の反応を見れば、今の自分の話し方が下手か上手かがおのずとわかりますから、改善につなげていきましょう。
まとめ
話し方が下手を克服するには
・棒読みではなく対話をするような雰囲気で話す
・大勢に説明する場合は一人一人の顔を見て話す
・結論ファーストで経緯や理由はその後につける
・「〇つ」など数量の表現で相手を安心させる
・一つの話題が完結する前に話題を脱線させない
・話すペースは速すぎず遅すぎず1分で300文字
・専門用語は聞き手のリテラシーに合わせる