「自分はダメなやつだ」とか「何をやってもできない」と、癖のように自己否定をしてしまう人っていますよね。そして、そういう人の多くは、自己否定を改善して自分に自信を持ちたいと感じていることでしょう。
現在、ちまたには改善するための書籍や情報が膨大にあります。もちろん、これらを参考にして改善する努力をすることは素晴らしいことですが、闇雲にあらゆる方法を試しても、なかなか改善されるものではありません。
まずは、なぜ自分は自己否定をしてしまうのかを自分と向き合って、原因をつかむことが、改善への近道なのです。自分に合った改善法を見つけるためにも、自分自信とじっくり向き合ってみましょう。
そこで今回は、自己否定をしてしまう自分と向き合う5つのヒントをお伝えします。
肯定された経験が少ない
いきなりですが、子供の頃を思い出してみて下さい。楽しかったことや悲しかったことなど、色々あるでしょうが、親や周りの人から褒められたり、人より良い思いをしたという経験があまり思い浮かばなかった人は、自己否定をしてしまう原因がそこにあります。
むしろ、この場合は自分を肯定する方法が分からないと言った方が良いかもしれません。子供の頃に「褒められる」ということを学習しきれていないので、自分で自分を褒めることができなくなってしまったのです。そして、褒められないことが当たり前になってしまい、その延長線上が自己否定なのです。
このケースは、少しずつでも自分を褒めるということを始めていくことが、改善になります。何かしらの目標を立て、達成すれば自分へのご褒美をするというようなことを続けていけば、やがて自分に自信が付いて、自己否定をすることもなくなっていくことでしょう。
素直に褒め言葉を受け取れない
誰でも褒められたら嬉しいものですが、自己否定をする人は素直に受け止められない傾向があります。本当は自分を肯定して欲しいという気持ちはありながら、褒められた後に「やっぱり思ったようにできなかった」と突き落されるのを恐れるため、素直に受け止められないのです。
なので、仕事の成果などで上司や先輩から褒められても「でも○○ができなかった」「自分なんて全然できてません」と、否定的な返しをしてしまいます。ですが、本心は自分を認めてくれた嬉しさでいっぱいのはずです。しかし、褒めてくれた相手は本心までは分からないので「せっかく褒めたのに、なんだかな」としらけた気分になります。
そんなことを繰り返していると、ついには褒めてもらえなくなります。そうすると「やっぱり自分はダメだ」と、より自己否定をしてしまう悪循環に陥ってしまいます。なので、褒められた時は素直に喜びを表現するようにしましょう。
もし、あからさまに喜ぶのが恥ずかしければ「ありがとうございます」とお礼を返すようにして下さい。それだけでも、褒めた相手に与える心象は良くなります。
傷つくのを防ぐため
他人からの何気ない一言で、例え悪気はなかったとしても、傷ついてしまうこともあり、場合によっては非常に辛かったり悔しい思いになることもあります。そうやって傷つきたくないという心理が働くと、自己否定に陥ってしまうケースがあります。
あらかじめ自分を否定しておけば、他人から何を言われても傷つくことはありませんし、自分のこういう部分が否定されるだろうと予測が立てられます。しかし、極度に傷つくのを恐れていては、自己否定を改善することができませんので「傷つく」勇気を持って下さい。
確かに傷つくのは辛いことですが、同時に自分が成長する糧にもなるのです。傷つくのは、悪いことばかりではないという意識を持ちましょう。
相手に近づきたい
自分に否定的な人に同調し、溶け込みたいがために、あえて自己否定をすることがあります。この場合は、多くの人が自分に否定的な環境に身を置いているか、憧れの人やグループがやはり自分に否定的な立場であることがほとんどです。
少数派に属しているのはしんどいですし、憧れの人に近づきたい心境は分かりますが、そうするとずっと自分を否定し続けなければなりません。これは、心理的には非常に大きな負荷がかかるので、心身ともに悪影響が出る危険性もあります。
なので、自分を否定してまで、他人に同調したり憧れに近づこうとすることは、決してやってはいけません。
ストレスを発散する
自分を否定してるのにストレスを発散というのは、矛盾しているように感じますよね。しかし、人によっては他人の悪口を言ったり物にあたるなど、何かを「攻撃」することでストレスを発散することがあります。これと同じことを他人や物ではなく、自分自身に対して行っているのです。
何かへの攻撃は、ストレスを発散してくれますが、決して良い方法ではありません。しかも、自分を攻撃しているので、一時はストレスが発散されたように感じても、ダメージは確実に残ります。自分を傷つけるぐらいなら、嫌なことを忘れられるくらい、没頭できるものを見つけて下さい。
何も考えず、それだけに集中していれば、終わった時には心が晴れ晴れとしてストレスが解消されているはずです。
本当はしたくないのに、つい自己否定をしてしまうのは、いくつかの要因があります。さらには、これが原因だとはっきりしたものはなく、色んな要因が重なり合ってしる場合がほとんどです。
また、要因が複数あれば改善するのもそれぞれの要因に合った方法があり、少し調べれば沢山見つかりはしますが、全てが役立つとは限りません。それなのに「本に書いてあったから」「ネットで見つけたから」と、何でもかんでも試していては、かえって改善するのに時間がかかる可能性があります。
まずは自己否定をしてしまう自分と向き合い、そこにどういう心理が働いているかを見つめることが大切です。あとは、それに応じて最も有効な方法を実践してくことが、早く確実に自己否定が改善される道と言えるでしょう。
じっくりと自身を見つめなおし、少しずつでも前向きな自分を取り戻していきましょう。
まとめ
自己否定をしてしまう原因は
・子供の頃に肯定された経験が少ない
・褒められても素直に受け止められない
・他人に傷つけられるのを防ぐため
・自分を否定している人やグループに近づきたいから
・自分を「攻撃」してストレスを発散している