自己肯定感が低いと、何に対してもマイナス思考に偏りがちになります。自己肯定感が低いことに悩む人の中には、周囲の誰よりも悲観的でマイナス思考だという自覚がある人も多いですよね。自己肯定感の低さとマイナス思考には密接な関りがあります。そもそも、自己否定すること自体がマイナス思考の最たるものだとも言えるでしょう。
これは、マイナス思考が自己否定させるのではなく、自己肯定感が低いことが思考回路に影響を及ぼし、自分のこともそれ以外のこともマイナス寄りに引き寄せるようになるためです。それでは、自己肯定感が低い人が陥りやすいマイナス思考のパターンにはどんなものがあるでしょうか。
そこで今回は、自己肯定感が低い人にありがちなマイナス思考についてお伝えします。
己肯定感が低い人ほど陥りやすい!
5つのマイナス思考
成功してもまぐれと思い、失敗したら「やっぱり……」と落ち込む
色々なことにチャレンジしていると、成功も失敗もたくさん経験します。普通の人は成功を喜び、失敗しても次への糧にすることができますが、自己肯定感が低い人はそう考えることができません。
成功しても自分の実力だと思えず、「まぐれだ。次は失敗するだろう」と考え、失敗したら「やっぱりね」と落ち込んでしまいます。これは、自分は失敗して当たり前の人間だという思いと、そんな自分が嫌いだという気持ちの表れです。
自己肯定感が低いと自己評価が低くなり、自己嫌悪にも陥りやすいというわかりやすい例です。
他人の好意や善意に裏があると思い込む
自分と親しくなろうと近付く人や恋愛感情を抱く人、または善意で手を差し伸べてくれる人に対して「私なんかに良くしてくれるなんて裏があるに違いない」と考えてしまいます。この考えは、「自分なんかを好きになる人はいない、親切にしようという人はいないはず」という思いから生まれるもの。
自己肯定感が低い、つまり自分で自分が嫌いなのですから、他人が自分のどこを好きになってくれるか理解ができないのです。でも、そんな考えを持っていては、せっかく好意や善意を持ってくれた人に失礼なことですから、疑いの心は捨て、素直に受け入れられるようになるべきです。
陰で悪口を言われたり、馬鹿にされている気がする
自己肯定感が低いと「自分は周囲に嫌われている」「馬鹿にされている」と思い込みがちになります。そのせいで、自分がいない場では他人は自分を悪く言っているような気持ちに陥ります。
常識的に考えるとそんなに周囲に嫌われることをしていないのになぜか自分は悪く言われていると信じ込んでしまうのは、自分で自分を認めておらず、「自分には生まれつき他人に嫌われるポイントがたくさんある」と思い込んでいるからです。でも、これでは見えない敵に怯えながら暮らすことになり、精神衛生上良くありません。
楽しかったことも嫌な記憶や後悔に変換される
人の記憶は、嫌なことよりも楽しいことの方が残りやすいと言われています。でも、マイナス思考が強く自己肯定感が低い人は、楽しいことも楽しい記憶として残らず、全て嫌な思い出や後悔として変換されてしまいます。
これは、自分の成功も他人の善意も信じられないために、普通の人から見たら良いことも悪い出来事として捉えてしまうせいで起こる考え方です。傍から見るとそれほどひどい過去ではないのに、自分だけがそれを黒歴史と捉えてしまっていることもよくあります。
自分の人格や行動だけではなく、過去まで否定してしまうというのは本当につらいことです。
未来に悪いことが起こると信じ込む
自己肯定感が低い人にありがちなマイナス思考は、過去への後悔だけではありません。未来への希望の無さも特徴的なものです。
楽天的な人は、「今まで悪いこともあったけど、この先良いこともあるだろう」と前向きに生きられますが、悲観的な人は「今まで悪いことばかり、これからも悪いことばかりに違いない」と思い込みます。しかも、そう思い込むことで自ら悪いことを招き寄せてしまうことも少なくありません。
これは、思考回路の歪みによって「自分に良いことなんて起こりっこない、起こるのは悪いことだけ」と信じ切ってしまうことで生じる考え方です。物心ついた頃から自己肯定感が低いと、こんな悲しい考えにも陥ってしまうのです。
いかがでしたでしょうか。自己肯定感が低い人が陥りがちなマイナス思考のパターンについてお伝えしました。
マイナス思考と言っても色々ありますが、たまたま悪いことが続いて一時的に落ち込んでいる人の思考と、自己肯定感が低く、根本的に認識が歪んでいる人の思考は大きく異なります。前者は簡単なきっかけでプラス思考に転じることも多いですが、後者のマイナス思考は、自分の生き方や人間関係などにも大きく影響を及ぼす危険なものです。
マイナス思考は良く言えば慎重派で慎ましやかにも見えますが、放っておくと人生を投げ出しかねないということを知っておいて下さい。自分自身、または周囲の親しい誰かがこんなマイナス思考に陥っていたら、自己肯定感を高めてプラス思考に持っていけるように促すようにしましょう。
まとめ
自己肯定感が低い人にありがちなマイナス思考は
・成功してもまぐれと思い、失敗したら「やっぱり……」と落ち込む
・他人の好意や善意に裏があると思い込む
・陰で悪口を言われたり、馬鹿にされている気がする
・楽しかったことも嫌な記憶や後悔に変換される
・未来に悪いことが起こると信じ込む