初対面の方と会話をするのは緊張するものですが、例えば入学や就職、引っ越しなど、新しい環境に身をおいた時には必ずその機会がやってきます。これからお付き合いが始まるような環境であれば、やはり好印象を与えておきたいものですよね。しかし、気持ちよく会話をするにはどうしたら良いか考えると、なかなか難しいものです。それこそ知らず知らずの間に悪い印象を与えてしまうこともあるのですから、気持ちよく話せるような会話術があれば、押さえておくに越したことはありません。
そこで今回は、初対面の会話でも好印象を与えられるような「会話術」についてお伝えします。どのような年代や立場の方でも共通する方法ですので、ぜひ実践してください。
会話の「ネタ」がない場合を想定しておく
初対面となる相手の方が会話が得意か不得意かというのは、もちろん会ってみなければわかりませんよね。会話をする方がもしかしたら緊張しやすかったり、もともと無口な方というのもあり得ます。そこで、会話の「ネタ」が何もない場合に備えてみてはいかがでしょうか。
例えば天気の話、主要ニュース、景気の話などは初対面でも比較的会話になりやすいものです。いわゆる女子会なら女性が好きそうな芸能ネタ、メディアの話などもなんとなく頭に入れておくと役立つかもしれません。その点趣味にまつわるオフ会のような集まりでしたら、その話をすればよいので気が楽かもしれません。
ただし、どのような方にも話題にするべきではない「タブーのネタ」もあります。それは政治の話、宗教の話など個人の思想が色濃く反映されているものです。もちろん印象を悪くすることにも容易に繋がりますので、十分気をつけましょう。
自分の方から笑顔で挨拶すること
第一印象は思いのほか大切なものです。一度悪い印象を相手に与えてしまったら、それを挽回するのはとても大変なことです。初対面の方ならなおさら好印象を与えるようにしたいものですよね。
そこで、まずは自分の方から笑顔で明るく挨拶をしましょう。「積極的に挨拶をしてくれる人」はそれだけで「きちんとした人」と印象づけることができますし、笑顔だったらさらに好印象となります。もちろんその後の会話でもなるべく笑顔でいるようにし、相手を尊重する立場を心がけていきましょう。それが初対面での会話での第一歩となります。
相手と自分との共通点を見い出す
例え初対面でも、会話においては相手と自分との間に「共通点」があればすぐに打ち解け会えるものです。「同じ仕事をしている」「共通の友人や知人がいる」「出身地が同じ」などがわかればそこから話を広げることができますが、「自分の好きなブランドのバッグを持っている」「同じキーホルダーを持っている」などでももちろんOKです。
話の展開の仕方としては、例えば共通の友人や知人がいる場合なら「Aさんがお引越しされるそうですがご存知ですか?」「Bさんと先日会ったばかりですが、とても元気でしたよ」など、様々な切り口から話をすることができます。「同じキーホルダーを持っている」時は「このキーホルダー、私も持ってます!」でも「このキャラクターかわいいですよね」というように、初対面の方でも十分会話になるので、ぜひ相手をよく観察してみてくださいね。
話を一問一答で終わらせないよう心がける
もしも相手から「今日はお一人ですか?」と尋ねられたら何と答えますか?「そうなんです、ですから緊張してしまって…」などと答えられれば話が続きますが「はい」の一言では話がそこで終わりかねません。このように話を「一問一答」で終わらせてしまうと、初対面の方との会話では特に気まずくなりがちです。
このようにならないためには「相手の話をよく聞き、受け止めて返す」と姿勢を見せることが大切です。「話を聞いていますよ」「あなたをないがしろにしていませんよ」という心遣いが伝われば、もちろん好印象となりますよ。
相手の言葉から感じたことを伝える
例えば相手が「私はカレーが大好きで3日連続で食べても飽きないんです」という話をしたらどうでしょうか。「そうですか」では前項の「一問一答」と同じように、そこで話が終わりかねませんよね。そこで相手の言葉に対し、自分の気持ちが動いたらそれを伝えます。
「カレーが大好きで…」の反応としては「そんなに飽きないなんて、どんなカレーがお好きなんですか?」「私もそうなんです!そういえばこの近くに美味しいカレー屋さんがありますよね」「私も今日で3日連続になりそうなんですよ!」というような「会話の続け方」があります。
ただ、この方法でやってはならないことは「相手をバカにすること・否定すること」を言ってしまうことです。「私はカレー嫌いなんです」「そんなに食べ続けるなんておもしろい方ですね」「私にはそんな食生活考えられません」など、たとえ本心でも口にしてしまったらたちまち印象が悪くなりますし、初対面での会話としても大失敗となります。あくまでも「相手を尊重する心」を大切にしましょう。
さて、すべての項に共通することは「相手を尊重し、自分から気持ちよく会話ができるように心がける」ことです。例え会話が下手な自覚があったとしても、相手の話をしっかり聞き「どんなことを話したいのか」「どんなことが好きなのか」を見つけてそれに対する話ができれば「誠実な人」という好印象を与えることができるはずです。ですから緊張や不安にとらわれるよりも「ただ、相手の話をちゃんと聞く」というシンプルなことに徹しましょう。
気をつけたいのは相手が年下、あるいは同年代だとわかった瞬間にいわゆる「タメ口」を使ってしまうことです。仲良くなればもちろん敬語がよそよそしくなることも多々ありますが、初対面の会話での馴れ馴れしい態度は嫌われる原因にもなりますので、その点は注意しましょう。「相手を尊重する心」さえあればきっと大丈夫です。
まとめ
初対面の方との会話を気持ちよく進めるには
・会話の「ネタ」がない場合を想定しておこう
・自分の方から笑顔で挨拶しよう
・相手と自分との共通点を見い出そう
・話を一問一答で終わらせないよう心がけよう
・相手の言葉から感じたことを伝えよう