親として子供の『自己肯定感』を高める子育て方法があるなら、ぜひ実践したいですよね。
自己肯定感とは、自分の良い部分も悪い部分も全てひっくるめた「ありのままの自分」を受け入れ、認め、愛する事です。
この『自己肯定感』が高い人というのは、困難に直面した時にもポジティブに立ち向かう事が出来たり、他人から否定的な事を言われても、自分への自信や存在価値を失う事がありません。自分の子供にもそうあってもらいたいですよね。
それには一番近くにいる両親が、日々どのように子供と関わっているかが大きく関係しています。そこで今回は、子供との毎日の会話や関わり方で、その子の将来すら左右する『自己肯定感』を高めるための方法を、心掛けたい5つの言葉とともにお伝えします。
子供の自己肯定感を高める方法!
心掛けたい5つの言葉
自己肯定感の高い子供が育つ環境とは
子供の自己肯定感を高めるために必要な環境は、両親など一番身近な大人が自分という“存在”をありのまま受け入れ、「愛してくれる」「認めてくれる」環境です。
良い所も悪い所もひっくるめて「あなたが大好きよ」「信じてるよ」「ちゃんとあなたを見てるよ」といった親からの愛情表現を常に浴びて育ってきた子供は、自分に自信を持ち、周りの言葉に左右される事なく、自分の芯を持って幸せに生きていく事ができます。
ここで大切なのは『正しく伝わっている事』です。せっかくの愛情も言い方・伝え方を間違えると、子供の自信を失わせてしまう事があります。
子供の自己肯定感を高める為には、言葉のかけ方を工夫し、自信を失わせる事なく自分で考え、気付く事が出来るようにもっていく事が必要なのです。
とっさに「もう!!」はNG
子供が飲み物をこぼしたり、物を壊してしまったり、失敗した時につい「もう!なにやってるの!」と言ってしまいがちではありませんか?子供自身も失敗してガッカリしている所に「もう!」と言われると「さらに失敗を責められる」と感じてしまいます。
自己肯定感を高めるのであれば、イラっとくる気持ちをぐっと抑えて「大丈夫だった?」と言葉をかけてあげる事で「失敗してしまったけどお母さんは自分を心配してくれた」と愛情を感じる事が出来るのです。
まずは本人の気持ちに寄り添って共感し、がんばった事を認めて、次に向けて前向きに考える事が自己肯定感を高める事につながります。
「早く!!」と急かすよりもサラリと「あと何分?」
子供が自分で時間を意識するのはなかなか難しく、グズグズされてつい「早く早く!」と急かしてしまいがちですが、そこを一工夫して「あと何分?」と声をかけてみましょう。
子供は自分で出した答えに対して、それを守ろうと努力します。また「早くしろ」と命令されてやらされているのとは違い、自身の意思を尊重してもらえたという点で自己肯定感を高める事にもなります。
「何度も言わせないで!」ではなく自分で思い出させて
子供は何度言っても同じことをしてしまいますよね。でもわざと言いつけを守らないのではありません。衝動的に動いている為、考えるより先に動いているような状態です。そこでちょっとヒントをあげると「そうだった」と自分で思い出す事ができる場合もあります。
しっかり子供の目を見て「どうすれば良いんだっけ?」と言ってみましょう。そして思い出せたら「そうだね!」と思い出せた事を一緒に喜ぶ事で自信が生まれ、自己肯定感を高める事につながります。
「何度も言わせないで」「何度言えばわかるの」という言葉は、子供にとっては「何度言われてもできないダメな子」と言われているように感じます。このイメージが定着してしまうと「自分はどうせ何度言われても出来ないダメな子だから」と自分を否定するようになってしまいます。
漠然と「ちょっと待ってて!」ではなく具体的な時間を伝える
自分たちも子供の頃に、大人に対して「ちょっと待っての“ちょっと”ってどれぐらい?」という疑問を持ったことがありますよね。でも大人になるとつい「ちょっと待ってて」と言ってしまいがちではありませんか?
この「ちょっと待ってて」は「待て」という命令です。自己肯定感を高めるのであれば命令ではなく「あと○分くれる?」と子供に時間をもらう事の了解を得ましょう。
そうする事でどのくらい待てば良いかの見通しが立つ事と、自分に決定権をもらえた事で「認めてもらえている」と感じ、自己肯定感を高める事になります。
「ダメ!」に代わる言葉を見つけよう
子供が危険な事をしようとした場合など、頭ごなしに「ダメでしょ!」と言ってしまいがちですが、子供からすると「どうしてダメなのか」「それをするとどうなるのか」が具体的になっていない為、ただ「ダメ」という強い言葉で否定されている事にしかなりません。
自己肯定感を高めるのであれば、「ケガをしないか心配だよ」「これでケガをしたら遊びにいけなくなっちゃう、それでも良いの?」など心配の気持ちや具体的なデメリットを伝えるなどして、自分からやめる選択をさせます。
そしてわかってくれた事に対しては必ず「ありがとう」と伝えましょう。
いかがでしたか。家族の間での毎日の会話を少し見直して、否定や命令になっている部分を、問い掛けや共感に言い換えられるように工夫していく事が、会話の中で子供の自己肯定感を高める事に直結しています。
「毎日忙しい中で子供との会話にまでそこまで気を遣わないとダメなの…?」と思う方もいるかもしれませんが、考え方を少し変えれば「子どもを一人の人格として認める」というだけの事です。
どうしても家族という距離の近さ、ましてや自分の子供であれば「自分の所有物」のように感じている方も少なくはないでしょう。しかしそうではなくて、子供は「まだ世界の事をよく知らないだけの一人の人間」です。
何度も同じ間違いをしたり、しつこく同じことを聞いたりしてお母さんはウンザリしてしまうかもしれませんが、その子が大人になった時、自己肯定感の高い幸せな人生を送れるように大切に育ててあげたいですね。
まとめ
子供の自己肯定感を高めるには
・子供が「愛されている」「認められている」と感じられる家庭環境が基本
・とっさに「もう!」と言ってしまう所を「大丈夫だった?」
・「早く!」ではなく「あと何分?」
・「何度も言わせないで」を「どうすればいいんだっけ?」
・「ちょっと待って」を「○分くれる?」
・「ダメ」ではなく心配の気持ちや具体的なデメリットを伝えて
・わかってくれたら必ず「ありがとう」