自己を肯定できない人生は辛いものとよく言われていますよね。でも、現代は自己を肯定できない人の方が多い世の中だとも言われています。
学校や親の価値観の押しつけ、個人の性格を尊重しない教育などによって自己肯定できない大人に育つということが、最近になって各所で論じられています。でも、今の若者、大人たちが子供時代を送ってきたのは、そんな理論が一般化するよりも前のこと。そのため、今の風潮で言うと「自己肯定感が低い」大人が多くなっているのです。
ですが、これは誰のせいでもありません。ですから自分の子供時代や教育環境を恨んだところでどうにもならないことなのです。
自己肯定できずに苦しむ人が今できることは、自分を見つめ直し、自分の価値を自分で見出すことだけです。そこで今回は、自己肯定のため自分を見つめ直す方法などについてお伝えします。
自分の個性を良いように言い換え、長所としよう
自己を肯定するためには、自分の良いところを自覚することから始めましょう。でも、自己肯定感が低い人にありがちなのは、面接などの際に尋ねられても自分の長所がパッと出てこない、誰にでも当てはまるようなことしか言えないということ。
自己の肯定のために、この状態をまず打開する必要があります。最初から自分の良いところを探すのではなく、良い悪いを意識せず、自分にしか無い個性を思い浮かべて下さい。そして、それを良いように言い換えるのです。
例えば、「動きが鈍い」なら「周りに流されず自分のペースを保てる」とか、「心配性」なら「慎重に物事を考えられる」など、いくらでも良く言い換えることができます。このようにして、自分の長所となる部分をたくさん思い浮かべて、自分の個性を肯定してあげましょう。
今までの失敗を客観視しよう
失敗は成功の母という言葉がある通り、失敗するほど人は大きくなれるのです。ですが、自己肯定感が低い人は、これまでの失敗を活かすどころか、失敗によるマイナスイメージだけを抱え込んでしまい、身動きが取れなくなることが多いものです。
これを解消するためには、失敗を客観視する癖を付けるべきです。例えば、失敗した自分の落ち度を責めるのではなく、その落ち度がどんな状況から生まれたか、どんな状況だったら発生しなかったか、などを考えてみましょう。そして、「これからはこうすれば失敗しない」という方法を見出すのです。
このように失敗を客観視するだけで、これからの失敗のリスクが激減するばかりか、あの時の失敗は起こるべくして起こったと割り切った考え方ができるようになります。
成功経験を思い出そう
自己を肯定するためには失敗の記憶から解放されるだけではなく、成功経験を自分のものにする必要もあります。自分を肯定できない性格の人は、成功したとしてもそれはまぐれだとか実力ではないと思い込み、成功としてカウントしない傾向があります。これでは自己評価はずっと上がらないままですから、今までの成功をちゃんと自覚するようにしましょう。
何でも良いので、過去に良い成果を上げたことを思い出し、その時の自分の判断や行動を分析してみましょう。そして、「これが自分の実力だ」と自己暗示をかけるのです。
まぐれや運が良かっただけだとしても、それもあなたの実力です。結果的に良い成果が残っているのですから、運も実力のうちと考えて、自分はできる人間だと信じる心を持ちましょう。
基本的には自分と他人を比べてはいけない
自己肯定ができない人は、他人と自分を比べては劣っているところを見つけ、落ち込むという行動を繰り返します。でも、自分は自分、他人は他人なのですから、個人の能力を比較するなんて全く意味の無いことです。
他人と自分の成果や評価を比較するのは、この機会にすっぱりとやめましょう。自己肯定感が低いと、他人と比較したところで自分の悪い点にしか目が行かないからです。
どうせ比べるなら、今の自分と過去の自分を比べるようにしましょう。過去に比べてこんなところが上達しているとか、こんなことができるようになったとか、良くなったところをピックアップして見つめるようにすれば、自分が成長していることが自覚できるはずです。
時には他人の心理と自分の心理を見比べることも必要
他人と比べてはいけないと先ほどお話ししましたが、自己を肯定するために一つだけ比較した方が良い部分があります。それは、他人の心理と自分の心理の違いです。
他人、それも自己肯定感が強い人はどんな考え方をしているのか、失敗をどう乗り切っているのかなどを観察し、自分の心の動きと比較するのです。そして、自分がいかに過剰に落ち込んでいるか、自己評価を下げているのかを自覚しましょう。
自己肯定感が高い人は、多少の失敗でも落ち込まずに前向きになれる心理を持ちます。これが正常な人の心理で、たやすく落ち込む自分の心理は普通ではないと割り切り、明るく生きられるように意識を変えていきましょう。
さて、自己肯定ができない人が、自己評価を上げ、肯定できるようになるためにするべきことや考えるべきことについてお伝えしました。
自己肯定感の有無は成長過程とその後の習慣によって決まってきます。大人になっても自己肯定ができない人は、能力が劣っているわけでも性格が悪いわけでもなく、自己評価を下げる習慣が染み付いてしまっていると考えられます。
逆に考えると、自己肯定感を大人になってから培うためには、そんな心理に傾けるための習慣を続ければ良いだけのことと言えますよね。その代表的なものが、ここでお話ししたような成功・失敗を正しく自己評価し、客観視できるようになることなのです。
自分を見つめ直すことは、必ず自分の生きやすさに繋がります。意識を変えるのは難しいことですが、未来への投資と思って努力してみましょう。
まとめ
自己を肯定し自分を見つめ直すためには
・自分の個性を良いように言い換え、長所としよう
・今までの自分の失敗を客観視しよう
・成功経験を思い出そう
・基本的には自分と他人を比べてはいけない
・時には他人の心理と自分の心理を見比べることも必要